- 2010.12.22
コラボ産学官・岐阜大学医工連携研究シーズ報告会に参加。
― 朝日信用金庫等の信金と地域大学とが大学発の技術成果を地元の中小企業等へ橋渡しをする場であるコラボ産学官が、岐阜大の人間医工学研究開発センターで取り組んできた画像処理・診断情報データマイニング・ソフト活用簡易診断方法などの技術をプレゼンしていました。岐阜県等の医療機関と連携して収集してきた諸症例やディジタル化された診断情報を基盤に、医療現場で活用できる実践的な手法の開発に重点を置いており、面白い取組みだと感じました。特に3D画像処理・位置情報技術などを活用して人間模型の曲面上で内蔵・骨格をバーチャルに表示し解剖模型とする技術は、今後の発展が楽しみなものでした。更に、既存の超音波エコー画像から動脈硬化状況を計測するソフト、両イヤーホーンにセンサーを組み込み音楽を聴きつつ動脈硬化を計測するソフトは、比較的実用に近いところにあると感じました。
- 2010.12.17
次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会に参加。
― 本庄早稲田における同研究会の5回目の分科会で、日本工業大学の神 教授
から「超音波を利用した切削加工・塑性加工及び関連技術」の講演がありました。従
来のプレス加工、引き抜き加工、切削加工、押し出し塑性加工などのプロセスに、超音波によるエネルギーを同時に加えることによって、スムースに効率よく加工できるとともに、加工精度も向上する事例を多く説明され、研究会の多くのメンバーの事業である部品の精密加工に対する応用の可能性を示す面白い内容でした。講演のあと、研究会のメンバーである?ヒガシと?中川機器製作所の2社から会社事業説明がありました。前者は、自動車メーカー向けにNC専用工作機械を製造しており、後者は金属加工製品である自動車部品の製造を行っているとのことでした。自動車アセンブリの拠点が海外に移り、国内の取引の将来についての懸念や、進出先の中国でのオペレーションの問題などを説明していました。
- 2010.12.8
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 今回は、?湘南物流企画、亜多加プランニング?、?技工社の3社のプレゼンでした。湘南物流企画の小山氏からは、中国広東省のLEDメーカ9社が生産したLED製品をHaoの商標で、アリババのサイトを使って国内のみならず、海外ビジネスを展開する事業の説明がありました。亜多加プランニングの古河氏からは、飲食店その他の零細企業を対象に統一コンセプトによる店舗設計、ロゴの作成、ウェブ作製で売上アップを図る同社の「A作戦」の説明がありました。技工社の小椋氏からは、リモコンで簡単に操作でき、熟練不要で誰でもCADデータを使って道路上の標示などの描画作業ができる描画ロボットの紹介がありました。いずれもニーズの所在と今後の海外展開を考慮した面白い内容でした。
- 2010.12.2
Power Episodeセミナーに参加。
― ?ネットラーニングが主催するXMLの技術の発展を実感しようというセミナーで、今回はグーグルのクローム、ウィンドウズのインターネット・イクスプローラ・9の説明が両社からありました。ブラウザ向けに開発発展してきたXMLがHTML5というもので、両社のブラウザともXMLの技術を使って作られているものだそうです。XMLを基本にしているために、モジュール的に多様な技術や手法を集合させたウェブの表示ができるようでした。XMLを基本とした統一的な技術で各種のデータが表示されていくようになればインターネットの効率化・内部経済性が高まっていくものと予想され、XML技術に詳しい?ディジタルコミュニケーションの福重社長の熱意も理解できるものでした。
- 2010.11.25
日本開発工学会年次シンポジウム2010に参加。
― 「変革の時代を乗り切る技術経営戦略とビジネスモデル」というタイトルでのシンポでしたが、特に?システムサプライの門脇氏の北海度における各種センサー、GIS、情報ネットワークを活用し、1200haに上る広域耕作を企業集団で行っている活動の紹介が非常に具体的かつ実践的で興味を持ちました。土壌の性質・地味などをDB化し、連作障害を克服しながら、播種の選択を行い、収穫・品質のバラツキを最小化していくプロセス管理を行い、かつ栽培種のコアに大豆を置き、ミクロン単位に粉粒した大豆に他の野菜等の粉粒を合わせて食品工業向けに出荷し経営の高度化と安定化を図る戦略的な農業実践の話しでした。我が国のような消費人口が比較的大きく消費地が近い国土の中で米国・カナダ式の農業を展開できる北海道の強みを活かした農業で、このような企業経営を進める基盤を整備する一方で、自家消費向けの米作農業には委託生産等の枠を拡大していく、農業政策の二極化を図る必要性を感じさせる話しでした。
- 2010.11.20
第30回記念早大モビリティシンポジウムに参加。
― 本庄早稲田における次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会の委員長である大聖教授が代表を務めるモビリティ研究会が主催で第30回を記念し「次世代自動車技術を展望する」とのテーマで開催されました。「電動化技術」と「情報通信と安全運転支援」の2つのパネルディスカッションを聞きました。前者は紙屋教授がコーディネイトし、トヨタが主にプラグインハイブリッドについて、日産が将来のEVについて、ホンダが燃料電池自動車について、NEDOがリチウムイオン電池等の開発状況について、話をしました。後者は、石氏がコーディネイトし、クラリオンが情報機器となりつつある自動車の情報システムのオープン化・互換性の強化の動きについて、富士重工が事故予防安全運転支援システムについて、情報通信技術委員会富田氏がICTの進展と自動車情報システムの現状について、芝浦工大春日教授が運転者の自覚的・自己運転認識能力を前提とした安全運転支援システムの必要性について、話しをしました。止むを得ないとは言え、EV等が主流となる21世紀前半において社会インフラとしての電力供給システムをどうするのか、電力事業者に責務があるのか、それは何であるのかという点がカヴァーされていない印象でした。また春日教授からの無限定の安全支援システムは却って運転者の安全意識を低下させることに繋がり、高齢運転者への支援システムについても高齢者が十分に認識能力を有していることを前提に設計をしないと逆に運転の危険性が高まるとの指摘は非常に印象的でした。
- 2010.11.18
ものづくりNEXT2010オープニングセッションに参加。
― 講師は、東大生産技術研究所教授加藤氏と日産特別顧問高橋氏でした。加藤氏はHigh Performance Computing(いわゆるスーパーコン)が生産現場で、設計・シミュレーション等に活用されることによって生産・設計能力等が高まる展望を示すとともに、多様な現場での活用について産業界と学との共同作業のためのプラットフォーム作りの課題を話しました。一品もの的な高度なプログラム開発とハードの固まりであるHPCが立ち上がってきたうえで、現場適用のためのコスト低減・応用ソフトの開発・応用事例の積上げをどう図るかが今後の課題とのことでした。日産の高橋氏からは、ルノー傘下となった日産の日本企業としての国内での役割とグローバル企業の一員としての日本国内での役割のある種の矛盾・葛藤を踏まえ、試作開発拠点としての生き残りへの取組みと、グローバルで生産同期化を実現する情報化・生産プロセスの共有等の現状を説明していました。特に印象に残った話としては、女性を始め世界中の人材の活用を進めるダイバーシティの加速、EVの開発のモノ・ヒト・ノウハウ・インフラ一体で作り上げるとの位置付けでした。いずれも今までの日本の自動車メーカーの発想とは異なるものであり、日産の変化を感じさせるものでした。
- 2010.11.15
知的財産研究所特別研究員中間報告会に参加。
― (財)知的財産研究所が、特許庁から委託を受けて行う若手研究者の育成を図る事業で、今回は5人の特別研究員の研究中間報告の場でした。その中で、小川 和茂氏は「知的財産紛争仲裁の利用における課題とその克服」とのタイトルで、仲裁制度の活用の現状とその低迷の原因、国際商事仲裁・スポーツ仲裁等との比較での利用の向上のための方策について、話していました。また、八田真行氏は「オープンソース・ソフトウェア・ライセンスにおけるソフトウェア特許と商標の扱いに関する研究」とのタイトルで、Linux を始めとしたオープンソース・ソフトウェアの中には、著作権を基本としたライセンスに特許報復条項を加えてオープンと逆に向かいつつあるグループが有り、他方、本来のオープンソース・コミュニティにおいてもパテント・プールの形成や「オープンな」パテント・ライセンスによって自由な開発をより明確に保障しようとする動きが出てきていると、話をしていました。八田氏のテーマは、本来ソフトウェア・プログラムの保護を著作権の体系で行うのが良いのかどうか、オープンソースのように公共財として機能するべきプログラムの一体性・整合性をどのように確保していくべきなのか、議論として非常に広がりのあるものであり、今後の研究の展開を注視していきたいと思います。
- 2010.11.10
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 今回は、?CBMI、?同位体研究所、インタープロテイン?、?クエイザーシステムの4社のプレゼンでした。?CBMIの小野社長は、商業宇宙利用ビジネスとして気象・センシング情報等の農業事業者への情報提供ビジネスの話をしていました。?同位体研究所の塙社長は、地域により構成比率が異なる同位体元素を使った食品産地判定サービスが司法鑑定・警察業務・自治体行政検査・小売業の産地確認検査に利用されている説明がありました。インタープロテイン?細田社長からは、特定の病因に関連する蛋白質間相互作用(PPI)を標的にin silico分子設計に基づいて経口可能な低分子を創出する創薬バイオ事業の説明がありました。?クエイザーシステムの山田社長からは、簡易な3D画像の鑑賞システムである「Happy 3D Camera」の説明がありました。同位体研究所は昨今の原産地への関心の高まりを反映したビジネス拡大に対応する体制整備とそのための資金調達を主たる内容としておりました。インタープロティンは、他のバイオベンチャーと同様に早急な資金調達を求めてプレゼンをしていました。国内だけでは難しく、韓国企業との出資やアライアンスを進めているとのことでした。
- 2010.11.9
日本カー・オブ・ザ・イヤーシンポジウムに参加。
― 本庄早稲田の大聖教授からの情報で、早稲田大学の大隈講堂で開催された2010-2011カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会に先立つシンポジウムに参加しました。シンポのテーマは「語ろう、環境に優しい車の未来」というもので、EVやハイブリッド自動車の登場によって車社会がどう変わるべきかが主要な課題であったと思いますが、実際には若い世代の車離れが起きており、このトレンドが止められないまま、ガソリン車からEV等へ転換していく中で、自動車への回帰、あるいは自動車産業への回帰をどうすれば良いかという皮肉な内容となっていました。結局のところ都市空間の設計をどうするか、移動手段の最適な設計をどうするか、都市生活にとって真に必要な自動車とは何か、が議論のポイントで、大きな時代の変化を感じさせるシンポでした。
- 2010.10.23
本庄早稲田の杜フェア・ものづくりフェアに参加。
― 本庄早稲田の新幹線の駅周辺の再開発の一区切りを記念する「本庄早稲田の杜フェア」のイベントの一環として「ものづくりフェア」が開催されました。地元中小製造業者や次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会のメンバー企業等がパネルや製品展示を行い、地元住民等の交流を図っておりました。特に児玉工業団地の立地企業数社が展示しており、なかでも山下ゴム?の技術力には驚きの一言でした。また地元のタツムテクノロジー?のエンボス技術にも感銘を受けました。午後は講演会があり、早稲田大の鵜飼教授から東京大田区・墨田区等の零細製造事業者のフィールド調査から戦後創業し独自に技術を発展させてきたユニークな企業の紹介があり、現在特に都会人の視野から抜け落ちつつある零細製造業者の有する技術の重要性と維持拡大の循環を訴えていました。日産自動車?の大橋氏からは、日産生産方式として、外資企業となった日産の製造現場における品質改善・プル生産・ジャストインタイムでの部品デリバリーと製品の出荷などの取組みの紹介がありました。ルノー・グループ内のグローバル製造拠点競争の視点から、伝統的な日本企業の生産改善活動だけでは済まされなくなった我が国の日産工場の生産性向上をどう図っていくか極めて深刻で重い課題の話しでした。
- 2010.10.21
ネイチャー・フォトニクス・テクノロジー・コンファレンスに参加。
― ネイチャー・アジア・パシフィックが主催する「太陽光発電の将来展望」のタイトルの技術会議で、国内の主要なソーラーパネルメーカーからの出展とプレゼンがありました。米国National Renewable Energy LabのRyne Raffaelle氏から米国の技術開発動向の紹介がありましたが、特に大量設置に起因する火災や製造過程での化学物質汚染問題が米国内で関心事項になってきているとの説明が印象に残りました。日清紡メカトロニクス?仲濱氏からは、後工程における品質管理の科学的分析と対応が結果的に信頼性を高めコストの低下、普及の拡大に繋がるという考えと後工程のおけるラマン分光分析等の活用の計画を説明していました。?NTTファシリティーズの小西氏からは、NEDOの委託で進めている山梨県北斗市における各種太陽電池の設置と個別評価、システムの安定性の実証試験の経過と現在のデータの概要を説明していました。我が国でも全量買取り制度が具体的に検討され、大規模発電事業者の誕生が予定されている状況にあり、個人家庭での設置から大規模設置へ進む過程での問題点を浮かび上がらせている内容でした。
- 2010.10.21
エンジニアリング・ブランド研究会に参加。
― 今回は、大塚グループの大塚食品?の江本三男氏から、「マンナンヒカリ」など
時代を先取りする商品づくりにおけるブランド構築、マンナンヒカリの製品開発の経緯、などの説明がありました。同社が扱う商品におけるB2B、B2C商品の戦略の違いがあり、「マンナンヒカリ」はB2B商品として他の食品会社とのアライアンスが先行し、結果的にB2Cとして認知されるようになっていくプロセスであると理解しましたが、黒子役に徹しながら多くの用途を提案していくビジネス展開は、本研究会のテーマであるソリューション提案に基づきブランドを作り上げる(エンジニアリングする)という実践例の一つであると思います。
- 2010.10.19
次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会に参加。
― 本庄早稲田における同研究会の活動として、次世代自動車フォーラムが開催さ
れました。燃料電池と燃料電池自動車(水素エンジン自動車)の課題について早稲田大の中垣准教授から講演があり、課題が多い中でEVとの水素電池とのハイブリッド的な組合せの可能性を想像しつつ話しを聞きました。続いて、電動アシスト自転車の電力回生技術について三洋電機?研究開発本部の岸本部長から講演がありました。道路交通法の改正によって性能の向上が許容され、またリチウムイオン電池の搭載も可能となってきた中で、走行距離を最大化するために電力回生技術を有するアシスト自転車の開発・販売に関する内容でした。電動バイクとの境界がどうかと思われるほどの性能の向上が図られるとともに安心して遠距離走行を可能にするための制御ソフトを搭載した製品であり、技術の飛躍を感じました。
- 2010.10.18
本庄スマートエネルギータウン・フォーラムに参加。
― 本庄早稲田の杜・まちびらきのイベントとして、また次世代モビリティ・エリアマネ
ジメント研究会の活動の拡大として、自然エネルギーを活かした新しいまちづくりを考
える「本庄スマートエネルギータウン」フォーラムが開催されました。予想を大きく超え
る100名以上の参加があり、今後、新幹線の駅周辺での再開発エリアの事業の具体
化に合わせ自然エネルギーを活かしたどのような街作りができるかを検討していく研
究会の立上げでした。既に進出を決めたベイシア(カインズ・グループ)本社における
プロジェクトの展開も含まれていますが、早稲田大学の構内で行う拡張型スマートグ
リッドやコンビニでの多様なエネルギーの活用、電動バスや1人乗りULVの活用など
のイメージを教官から提案し、また、博報堂から社内での電動社会の検討内容などを
紹介して、参加者の研究会・プロジェクト参加を呼びかけ、終了しました。横浜市や北
九州市の先行する大規模な実証プロジェクトと異なり、地方小都市で手作り的にアイ
デアをどう具体化していくかに実証的な意義のある研究会です。
- 2010.10.15
パテントソリューションフェア2010に参加。
― 特許庁等が主催する展示会で、現在応援をしているアプライド・マイクロシステムズ社が出展していることもあり会場に行きました。同社には多くの関心が寄せられたようで、各論が具体化することを希望しています。会場では時間がなくなり全体は回れませんでしたが、静岡大発のベンチャーで撥水性能を調べる液滴振動式接触角測定装置を開発したSAW&SPR-Tech社の技術に興味を持ちました。展示会自体は小さな規模ですが、他の展示会との共催でもあって参加者は結構多く見受けられました。
- 2010.10.14
日本MOT振興協会第4回MOT入門講座に参加。
― 今回は、東大の藤本教授から「現場発想の技術経営論を考える」、リコーITソリューションズ國井会長から「知識集約型IT産業へのイノベーション」と題して講演がありました。藤本氏は、現場感覚の無い成長戦略論への疑問が呈され、設計能力の高い長期多能工・チームワーク・高生産性の良い現場を如何に我が国に残すかが課題であるとして、大企業のOBを活用したものづくりインストラクターの取組みを紹介していました。國井会長からは全製造業の生産性・機器性能・機器能力を決定する組込みソフト等のソフトウェア開発の問題点を明確に指摘し、米国などで取り組んでいる上流工程における要求工学やベストプラクティス・ガイドブックの導入、開発におけるコア・モジュール化による生産性の向上、組織内の人事・育成制度の改革など広範な課題解決への提言を行っていました。残念ながら経営トップが課題を認識し社内の仕組みを如何に変えて行くかしか課題解決の道はないわけですが、大学におけるカリキュラムの問題から考えていくと、時間は無いのではないかという思いを一段と強くしました。
- 2010.10.13
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 今回は、?アクアテック、?リプロセル、MSI TOKYO?の3社のプレゼンでした。
?アクアテックの大西社長からは、重金属含有廃水・汚泥から有用金属を回収し、汚泥量削減と廃水の高度処理ができる経済性ある「ガスセンサー制御硫化物法」(NSプロセス)の技術と事業概要について紹介がありました。?リプロセルの横山社長からは、同社のiPS細胞専用培養試薬が既に日本の多くの研究者に利用されるとともにiPS細胞由来心筋細胞等の作製を行い創薬支援を行っている状況の紹介がありました。MSI TOKYO?の三木社長からは、大阪大学理学研究科が開発した小型・高性能マルチターン飛行時間型質量分析技術を基に、コンパクトで高精度の次世代質量分析計の開発を行い、違法薬物、危険物、爆発物等の微量検出、食品中の有害物質検知などのための事業展開を行う旨のプレゼンがありました。いずれもインパクトの大きい技術であり製品ですが、製造系のベンチャー企業として、量産化への資金手当てなどの次ステップへ移行する段階での課題を抱えている現状です。
- 2010.10.6
横浜企業経営支援財団 横浜・金型加工技術研究会に参加。
― 横浜市による金型工業の今後の発展のため技術的・経営側面の課題を克服するとともに、企業間の協業シナジー創出の機会を提供する研究会でした。最初に岩手大学副学長の岩淵氏から、アジアの金型産業の動向と同大大学院における金型教育体系の話がありました。同大の院生もアジアからの留学生が大半になりつつある状況下で、アジアでの役割分担と我が国金型産業として生き残って行くべき技術の課題、特に従来の経験・勘・度胸に科学的分析と手法を加えた高度化の必要を説明していました。昭和精工?の木田副社長からは、R&D指向で新規分野を開拓しプルトップ缶の金型で圧倒的シェアを有するに至った経緯の話しがありました。シムックス?の中島社長からは、二代目として事業を承継し、匠の世界にITによる生産管理の考えを持ち込んで自社でソフト開発を行い生産性を高めるとともに、従業員管理に工夫したフレックスでボトルネックを解消した生産工程の確立の話がありました。二人のトップは事務系出身であることが面白かったですが、従来から金型産業の競争力向上に関心を有するものとして、貴重な現場の話を聞く機会でした。
- 2010.10.1
次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会に参加。
― 本庄早稲田における同研究会の4回目の分科会で、群馬大の松村客員教授に
よるマイクロEVの開発、研究会メンバーであるDOWAハイテック?工藤氏、同じく東
京千曲産業?安藤氏による会社・技術紹介の内容でした。群馬大の松村氏からは、
富士重OBが中心になって開発した一人乗りでインホイールモーターを使用し、マグ
ネシウム合金による軽量化、バッテリーの追加による150KMの走行可能性、2人乗り
の設計の潜在的可能性を有するマイクロEVの開発と走行実績の紹介がありました。
量産化に踏み出すための2人乗りへの規制緩和、モジュール組合せによる2輪駆動・4輪駆動などの多様な選択の可能性、ベンチャー企業にとって負担の大きい製造物責任などの重要な問題提起がありました。メンバーである両社からは、電子部品等に利用される希少金属等の精錬・供給の問題、機械部品からEVへの移行に伴う技術変革への対応等の課題の問題提起がありました。
- 2010.10.1
イノベーション・ジャパン2010−大学見本市に参加。
― 大学の研究成果を産業界に発信する場で、今回は医療デバイスに絞り、会場を回りました。 立命館大学のMRI画像誘導ナビゲーションシステムにおける視認性向上技術、電気通信大学の脳・筋肉等の計測信号を使った運動補助・ロボットハンド技術、奈良先端大学のデジカメを使った途上国向け白内障スクリーニングシステムの3つが非常に面白く感じられました。大学発として応用対象が明確であることは評価すべきですが、残念ながら応用へ一歩踏み出すにはまだ基礎研究に近いところにあり、大学発技術の持つ難しさを再確認しました。立命館の技術は、画像誘導の手術の精度を、手術前のCT画像と手術中のMR画像を情報処理して組み合わせることによって高めるもので、高度なものと思います。この3つのうち2つが海外からの教官によるアイデアであることも時代の反映であると感じました。
- 2010.9.28
東工大横浜ベンチャープラザー・セミナーに参加。
― 今回はイノベーション・エンジン?の中野 譲氏による「ベンチャーキャピタルから見たベンチャー企業」というタイトルでの講演でした。製造業系ベンチャー企業にフォーカスし、自らのベンチャー企業での経験を踏まえて、VCから期待すること、ベンチャー企業のトップとして実践すること、などの話がありました。大事な点としては、ベンチャー企業のトップの素質であり、組織としての意思決定のプロセスをマネジでき、トップセールスをやれる能力が求められることを強調していました。この点は特に我が国の大学発ベンチャーは、技術が先行し、マーケティング・営業が伴わないことを感じている立場として共感を得ました。VCの資金規模も小さく、IPOが事実上不可能である我が国において、ベンチャー企業のExitをどうするか、国内のみならず海外、IPOではなくM&Aと多様に考えていくべきことを改めて感じました。
- 2010.9.17
ラジオデイズ・ビジネスセミナーに参加。
― 旧知のイーパブリッシング研究会の伊藤氏、リナックスカフェの平川氏が関係するラジオカフェ社の「なぜ日本ではグローバル人材が育たないのか」というタイトルのセミナーでした。三菱商事の神崎氏から、グローバル化し事業形態も大きく変動しつつある商社の日本人社員の英語トレーニング・外国籍社員の活用などのプレゼンがありました。元日本コンパック社会長の村井氏から、長い外資系企業生活における部下のマネジメント・ビジネスの進め方のベースとなる英語と英文化の理解について話がありました。最後にジャーナリストで東京工大で英語を教えている原賀さんから、日本人が英語学習で陥るトラブルの統計的分析に立脚した克服方法と英語を話す基本の考えについてプレゼンが有りました。三者に共通していることは、まず物事の本質を理解する能力であり、日本語で的確に表現できる能力が必須であり、英語力はその上に成り立つものであるということでした。日本人の基礎能力が低下している中で、日本語とは構造的に全く異なる英語(その他の外国語)を喋る能力を身に付ける道は極めて厳しいと改めて感じさせられました。
- 2010.9.9
Power Episodeセミナーに参加。
― ?ネットラーニングの主催するイー・ラーニングとXMLなどの技術を結び付けるセミナーで、XML技術に詳しい?ディジタルコミュニケーションの福重社長の紹介で参加しました。ネットラーニング社は双方向のイーラーニングの草分けで、今後のイーラーニングの可能性を広げるために本セミナーをシリーズで企画したとのことでした。講師は?ナレッジシナジーの内藤社長と東京学芸大の松浦教授で、内藤氏からは検索手法の一つであるトピックマップの技術の概要について、松浦教授からは自作のイーラーニングのコンテンツ作りの過程でトピックマップの技術と同様の発想になった経緯や応用例の紹介がありました。トピックマップを使うことによって自由度の高いコンテンツ作りが可能になると同時に、XMLを使うことによってコンテンツの制度を高めていく可能性があるものと理解しました。改めてXMLの活用が広範な分野に広がってきていることを再認識しました。
- 2010.9.1
彩の国ベンチャーマーケットに参加。
― 2010年度の第1回の開催で、6社のベンチャー・中小企業から事業内容・今後の事業計画・資金要望などのプレゼンがありました。神奈川のTSUNAMIと同じ試みですが既に10年近く開催されており、新たなネットワークの場として参加しました。廉価で高機能のディジタル式サイリスタ始動器の?エヌ・エス・シー、NASAスペースシャトルに使用している中空真空アモルファスセラミック粒子を断熱コーティング材として活用する?イシミック、水冷式大型冷却塔を使用した空調設備の省エネを行うエスコウィンズ?の3社の技術を興味をもって聞きました。
- 2010.7.30
マイクロマシン/MEMS/表面技術総合展 に参加。
― 規模は小さいもののこれら先端分野の専門展示会で、そのせいか日本企業のブースが殆どでした。大手企業以外に中堅・中小企業の出展も多く、製造業の裾野のうちこれらの分野はまだ我が国に競争力がある感じを持てました。東工大等のインキュベータ入居する企業等の技術に近い製品も多くあり、後発のスタートアップの厳しさも感じさせられました。その中で、フォトマスクを製造しているある中堅企業から、国内生産しユーザーである台湾企業に出荷する現状から、ユーザーが中国企業に移行することに伴うロジスティックの整備等の難しさの話しを聞きました。本丸的な先端分野コア部品の生産を国内で維持していけるのか、我が国製造業が当面していく問題でした。
- 2010.7.27
東工大横浜ベンチャープラザ交流会に参加。
― 今回は、同インキュベーターのマネージャーが交代して最初の集まりで、横浜市の工業技術センターから、表面処理依頼受託試験や製品デザイン・ウェブデザイン相談事業の紹介がありました。また主要な入居企業から開発の近況などが報告され、情報交換などの交流となりました。東工大の技術を活用した極めて先端的な計測装置があり、水準の高さを感じましたが、商品化の苦労も大きく、厳しい状況でした。インキュベーター開設後、時間を掛けて入居企業同士の交流が進み、それぞれの経営者・技術者の有するノウハウや販路先の可能性などを紹介しあったり、技術シナジーとして新製品に結びつくものもでてきている実態を感じられたことが印象的でした。
- 2010.7.23
コラボ産学官プラザin Tokyo第三回研究成果発表会に参加。
― 朝日信用金庫等の信金と地域大学とが大学発の技術成果を地元の中小企業等へ橋渡しをする場として主に同金庫は事務局となって開催しているネットワーキングの場でした。新たなネットワーキングの場として引き続き関心を持っていきたいと思っております。今回は、弘前大等5大学からの技術紹介でしたが、長岡技術科学大学の福本教授からのアルツハイマー型認知症の診断装置の開発に興味を持ちました。
可視光線刺激による縮瞳反応を計測した診断装置で、既に臨床計測も行われているとのことです。実用に近く、米国等海外においても関心を持たれる技術であろうと思われます。
- 2010.7.21
TECHNO-FRONTIER2010に参加。
― 日本能率協会の主催の制御技術など生産工程関連の技術・製品を集めた展示会で我が国の得意とした分野ですが、4分の1程度が中国等アジアからの出展のような気がしました。関心分野が省エネ・プロ環境に移ってきているわけですが、基礎技術分野では振動や電磁波を使って発電するエネルギー・ハーベスティングゾーンが面白く、振動エネルギーから小型の電池に充電する仕組みなどが展示されてました。また、日機電装?のブースでは、電力回生機能内蔵ACサーボドライバと言う装置に関心を持ちました。回生電力の90%を供給電源として再利用するというもので、単体の機能ではなくシステムとして統合ビジネスとしてのソリューション提案やエンジニアリングビジネスとしての展開などの可能性を感じました。我が国では恐らく単体として優秀な機器はまだまだ存在するし、同社もそうしているのでしょうが、我が国の製造業の課題はよく言われるように複合化・統合化の鳥瞰的ビジネスであろうと改めて考える機会でした。
- 2010.7.20
オープン・イノヴェーション シンポジウム・イン大田に参加。
― 京都リサーチパーク、大田区産業振興協会などが中小企業基盤機構の委託を受けて行う大手メーカーと中小企業とのビジネスマッチングに向けての事前シンポでした。パネリストはパナソニック・NEC・シャープのほか、企業の研究戦略にオープンイノヴェーションを大きく位置つけている大阪ガスでした。大阪ガス以外の3社は、外との企業とのマッチングをシステマティックに行う仕組みは作っていないとのことですが、グローバルな競争をスピードを持って勝ち抜くには社内のリソースだけでは対応できないとの判断から、今回の試みに加わるとのことでした。大阪ガスは、社内で必要とする外部の技術を登録し外部企業向けに仕様等を整理する部署を設け、その部署が外部企業の提案を内部に繋いでいくワンストップショップを設けて、エネルギー間競争に生き抜いて行こうというビジネス戦略をオープンにしているとのことでした。従来の協力企業との関係、社内の研究組織との調整など課題はまだまだあるようですが、全てをグループ内で開発していくのか、戦略的に選定した技術を「時間」で調達するのかの選択を今後多くの企業が迫られていくなかで4社は先駆けであろうと思います。力のある中小企業にとって良いビジネスチャンスが生まれることを望みたいと思います。
- 2010.7.16
電気自動車開発技術展2010に参加。
― 横浜で開催された展示会で規模こそ大きくなかったですが、ベンチャーや中堅企業が開発した電気自動車、電動バイク、電動バスなどの展示、電気自動車の要素技術の展示、大手電気・電機メーカーによるスマートグリッドの要素技術の展示など、現下の環境問題に対応する先導技術開発・製品開発を担う企業の展示が一同に会していました。特にEV搭載バッテリーの充電機器・装置が多様に展示されており、この分野での急速な技術の成熟を感じさせました。日産リーフのプロトタイプなどからは従来から指摘されているEVの構造のシンプルさが眼に見え、各種製品の試乗におけるスムースさ、操作の簡便性・低騒音性などから、自動車分野の大きな変化が直ぐ近くに来ていることも伺わせるに足るものでした。(財)本庄国際リサーチパーク研究推進機構が埼玉県の支援を得て行った次世代型自動車技術開発支援事業による一人乗り小型EVなどの試作品なども展示してあり、他の自治体における支援活動の展示も含めて、新分野であるEVへの取組みの地域的な広がりも感じさせられました。
- 2010.7.8
テクノトランスファーinかわさき2010に参加。
― 財団法人神奈川産業振興センターと神奈川県・川崎市が主催し、かながわサイエンスパーク(KSP)で開催した、主にハイテク製品の中小・中堅企業の展示会でした。初めて顔を出しましたが、イベントとしては今回で23回目というだけあって、神奈川県内の企業の中からハイテク製品を扱っている一定水準以上の企業が出展しているとの印象でした。過去の実績もあってユーザー企業からも多くの人が覘きに来ていると思いながら見て回りましたが、残念ながら自らのネットワークで紹介できそうな技術は見当たらない状況でした。
- 2010.6.14
埼玉県環境ビジネスセミナー第5回グリーンサロンに参加。
―埼玉県が主催するセミナーで、早稲田大学環境総合研究センター小野田准教授から、同氏が社長をしている大学発ベンチャーである(株)早稲田環境研究所の活動を主に、墨田区で進めてきた一人乗りEVとその普及の試み、早稲田が構築してきた自動車部品の生産過程発生CO2量データベースを利用した部品リユースにおけるCO2節約量の表示などの観点から講演をしていました。東電の塚本氏は、ソーラー等が普及増加していく中でソーラー発の電力が系統に円滑に流れ込んでいくための電圧調整や遠隔検針、停電時間を更に極小に繋げる配送電管理などを行うスマートグリッドの考え方をプレゼンしていました。東光電気の齋藤氏は、ソーラー等の電力が導入され、多層の電力送配電制御の技術が求められる中でユーザー端末として需要等を記録し省エネコントロールもできるコントローラや需要サイドの個別情報を集中的に管理し供給側や省エネ機器開発者などに情報提供する中立的で情報を厳格に管理できる機関の設立の必要性を説明していました。
- 2010.6.10
ICADフォーラム2010に参加。
―富士通が主催するCADに関するセミナーでした。主に製造ラインを設計する際のCADであるICAD/SXの使用事例紹介を、トヨタと荏原が行っておりました。同業他社の技術陣も多数参加しており、工業会の意見交換会のような雰囲気も感じられました。製品設計のCADは欧米発の製品が標準になってしまっている中で、製造ラインや工場設備の設計の分野のCADを日本発のものとしたいという意気込みが感じられた内容でした。北大の沖野教授の開発した計算手法を取り込んだものとの説明もあり、グローバル化に対応して、各社の世界各地の工場設計の基礎となると同時に世界標準に近づくことを期待したいと思います。
- 2010.6.9
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 脳梗塞急性期治療薬と炎症性腸疾患・神経疾患治療薬を製薬企業と共同で開発を進めている?ティムス、賃貸住宅居住安定法による規制強化の中で住替え支援含む賃貸料保証業務等を行う?グランアース、タッチパネル画面でメニュー表示・直接注文などが行えるe-menuの販売・運営などを実施するアスカティースリー?、診療報酬請求明細書(レセプト)の電子レセプト自動審査システムの開発と導入を図る?TMMCの4社のビジネス計画の説明でした。社会システムを対象とするベンチャーにとって、既存の規制や規制強化の中でのビジネスチャンスを活かせるか難しい環境での事業展開になると感じられました。
- 2010.6.7
第12回エンジニアリング・ブランド研究会に参加。
― 最初に、研究会主査の小平和一郎氏から「B2BマーケットにおけるEブランド構築とサービス・マーケティング戦略」の話しがありました。特にB2Bでは企業間における技術への信頼感がビジネスのベースとなり、更にOEM等ではこれが必須となること、信頼を勝ち取った技術にはブランドが認められること、今後は商品のコンセプトが先に有りそれに技術を合わせていく総合力が重要であることなどの指摘がありました。二つ目は、住友スリーエム社の雫田治夫氏から「抽象的概念として使っていた顧客と供給者間の信頼構築こそがEブランド」というタイトルで3Mの話しがありました。100年の歴史の中で顧客のニーズを現場で探し、それに全社のあらゆる技術を動員して応えていくことを繰り返し、40以上に上る技術プラットフォームを作り上げ、カスタマー・テクニカル・センターに潜在顧客を呼び込んで製品を具体化していく手法の根本にEブランドがあるという話でした。さらに、有名な15%ルールや中興の祖とされるマックナイトの考え方、研究開発のルールなど、グローバルな大組織を研究開発指向の企業とする根本的な考え方に感銘を受けました。
- 2010.6.2
電気通信大学第6回産学官連携DAY in 電通大に参加。
― 電気通信大学が産学官の連携の立場からオープンセミナーや施設見学会を行うなどの公開の試みのイベントでした。特に学生が1年生から院・卒業生まで、実践・実戦的なアプローチで技術開発・アプリケーションなどを説明するアイデア・コンテストが面白くまた意味深いと感じました。同大の教育分野が実戦に近い分野であるとは言え、プラグマティックな発想で革新技術の研究・開発に取り組んでいることを実感しました。このような試みが各大学で行われ、また、産業界とも交流があれば今後の我が国の産業の競争基盤の強化に非常に役立つものと感じられました。
- 2010.5.28
次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会に参加。
― 本庄早稲田の早稲田大学大学院・環境総合研究センターと(財)本庄国際リサーチパーク研究推進機構の研究会の第三回の分科会で、今回は乗用車用ディーゼルエンジンの燃焼・排出ガス浄化技術について草鹿教授からのプレゼンがあり、またこれをどう実用化しているかについて産業界の立場からボッシュ株式会社ディーゼルシステム事業部山口部長のプレゼンがありました。欧州では乗用車の7割近くがディーゼルということであり、クリーンでかつ日本のハイブリッド車並の効率の良い燃焼技術が実現していることを改めて認識しました。
- 2010.5.19
日本MOT振興協会第三回MOT入門講座セミナーに参加。
― 石油資源開発社長渡辺修氏と慶応義塾大学前学長安西祐一郎氏の講演でした。渡辺氏は、基本統計を使って今や我が国の経済が外国特にアジアへの投資のリターンに大きく依存する構造となっていることを明確にし、その上でアジア諸国と共存するための政治・経済・社会条件を提示し、日本人の意識の変革と行動様式の変更を強く主張していました。特にアジア諸国の若手ビジネスマンに伍してビジネス展開できる日本人の若手マルティ人材の必要性、各国のインフラ整備に協力しつつビジネスチャンスをつかむための政産一体の総合的アプローチの必要性を強調していました。安西氏は、このような視点も含めた人材育成教育として、慶応におけるシステムデザインマネジメント研究科大学院の立上げと狙いを説明しました。我が国の一点製品に焦点を当てた製造向けの人材ではなく、インフラなど巨大・複合システムを政治・経済リスク、技術リスク、プロジェクトファイナンスなどを総合的に把握し国際ビジネスを展開できる人材の育成に取り組んでいる状況を詳細に説明していました。時代が単純な良い一品を作れば売れると言う時代から大きく変わり、複合システムを売り上げて国家主権の下マーケットにコミットしてビジネスを行う時代に突入していることを如実に反映した内容でした。
- 2010.5.12
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 今回は、電子証拠提出(Eディスカバリー)サービスとプロセス構築事業を我が国で展開していこうとうする?Ji2、超微粉化の新技術による完全自動製麺機を使って蕎麦のカフェテリア風店舗を展開しようとする?ソバテリア、企業組織を「ひとつのシステム」としてモデル化し開発した企業自動診断ツールIIOSSプロファイラー(tm)による「組織の健康診断」を提供する?IIOSS(イーオス)、紙面に大容量の情報を印刷埋め込みできるスクリーンコード技術、音の出る印刷物を作る業務用ソフトを販売する?アポロジャパンの4社の発表でした。特に最後の?アポロジャパンについて、偽者が出回っている中国で商標が本物の印刷かどうかを携帯電話を使って確認できるソフトを中国政府が資金を出して支援しているとの説明に、時宜を得た、また、ベンチャーに資金を提供する中国の様子を伺える興味深い話だと感じました。
- 2010.4.14
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 今回の発表は、北大発の大学ベンチャーで重金属を別の鉱物と反応させて不溶化して土壌汚染等防止を図る?環境材料エンジニアリング、遺伝子組み換え技術を活用したバイオ医薬品等の受託製造・開発を行う?横浜バイオリサーチアンドサプライ、電子部品等に高粘度の液状物質を塗布する新しい加工プロセスを実現する?アプライド・マイクロシステムほかの4社でした。特に?アプライド・マイクロシステムは、圧電素子を応用し,微少量の液体噴出制御技術を駆使して、金属ペーストや接着剤等の高粘度の液状化学物質を塗布し、従来のインクジェット方式で対応できなかった微細加工処理を行おうとするもので、電気通信技術大学発の技術を産業化しようとする面白いベンチャー企業でした。
- 2010.4.9
Printable Electronics 2010に参加。
― インクジェット方式技術の変革が製造プロセスの多方面に大きな影響を与えつつあるので、それを期待して展示会に行きました。 伝統的印刷機器のほか、有機プラスティックシート・フィルム上への印刷、塗布有機材料の高度なハンドリング技術、印刷方式プロセス機器なども多く出展されていましたが、肝心のインクジェット方式技術の製品という点では、数は少ないようでした。まだ我が国この分野の力を示している展示会でしたが、高度なソフトウェアによってコントロールされるこれらの機器が稼動する無人工場を想像した場合に、真の競争力を維持していくために、雇用の対象・人材の育成・高校大学の教育内容など、大きく現行の体系を変えた新しい発想が必要なことを痛感させられる展示会でした。
- 2010.4.7
TSUNAMI発足10周年Japan Green New Deal Forumに参加。
― 将来へのブレークスルーを期待して、産官学の連携を進めながら、地球温暖化に対応して技術イノベーションと新しいプレーヤーの創出を図って行こうとするフォーラムでした。2日に亘る意欲的な内容でしたが、海外特にシンガポール・台湾からのゲストスピーカーによるプレゼンテーションとの対比で、まだまだ我が国の取組みは心もとないところが多々あり、ベンチャーの創出やR&Dを後押しできない細切れの公的資金の問題のみならず、我が国全体をカヴァーする戦略的プランの欠如、大学と産業界との連携の難しさ、各論における産業界の立場の差などを感じ取らざるを得ない内容でした。東北大の大見教授の「作るために必要な全エネルギーより十分大きなエネルギーを発電する太陽電池:薄膜シリコン太陽電池」、同志社大の西口客員教授の「情報化時代、及びポスト情報化時代に適した技術経営」が長い間の経験を踏まえた提案を含む迫力有るプレゼンでした。
- 2010.3.30
環境対応車シンポジウムに参加。
― 環境省の主催のシンポで、同省の「環境対応車普及戦略」を踏まえて、環境車の概念、その普及、普及のためのソフトインフラ、普及の施策などを議論しようとするものでした。本庄早稲田の次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会の責任者でもある大聖教授から基本講演があった後、日産の上田氏、大阪府の岡田氏、オリックスの高山氏、早稲田大の樋口氏、博報堂の深谷氏がパネラーとなって、意見交換が行われました。日産は発表したLEAFの開発目標のみならずEVが普及していくためのソフトインフラを指摘し、オリックスがEVのカーシェアリング事業の実績からインフラの課題を具体的に挙げていました。大阪府はリチウム電池関連産業の集積が有るところからEV産業振興の観点から急速充電基地整備の進捗を報告していました。樋口氏は各国で積極的に進められている各国の政策を紹介していました。博報堂からはEVが変えていく社会・ライフスタイルの姿を具体的に示していました。インパクトの大きい例としては、地震や災害時にEVが非常電気供給機能を担うというものがありました。
- 2010.3.25
日本エンジェルズ・フォーラムのベンチャー起業家・投資家マッチングに参加。
― 久しぶりの参加でした。当日は、みらい教育研究所株式会社によるWeb合成音声配信事業“おしゃべりっち”、株式会社TV・ポータルによるケーブルテレビ・情報システムを活用した防災警報端末機器「マルチアラート」の開発、製造、販売、株式会社ルクシオンサイエンスによる高輝度LED蛍光灯「エコダイヤ」の製造・販売、TTJ株式会社による蚕の繭糸を使ったスキンケア商品「魔法のブラシ」の販売についての資金提供要請の説明でした。一番目の事業はかって話を聞いた?ナレッジクリエーションとの協業で、同社のネットワークで販路を拡大しようとするものでした。残念ながら小生のネットワークの中で販路・マーケティングなどの支援を出来そうな案件はなく、資金確保に限った集まりであれば今後の参加は再考しないといけないと思いまし
- 2010.3.24
次世代モビリティ・エリアマネジメント研究会・次世代型自動車技術開発支援成果発表会に参加。
― 本庄早稲田の環境総合研究センターと(財)本庄国際リサーチパーク研究推進機構の研究会の今年度数回にわたる意見交換の総括と日産久村氏からの同社のEV開発取組みの講演がありました。また、埼玉県の試作品製作支援補助事業の成果発表会を後半開催し、早稲田大学・上智大学の教官と自動車部品中小企業との共同作業の成果物の展示と発表が有りました。また併せて研究会参加企業の製品紹介の展示も行い、県の意向として商談会も開催しました。埼玉県の自動車部品企業の層の厚さを示すとともに、短期間の中で大学教官と企業参加者との交流の試みの成果を示すものとして興味深いものがありました。自動車産業も大きく変化せざるを得ず国際競争も激しくなる中で、本活動の継続が、産業の裾野を広げ、技術指向の中小企業の活動の場を広げる後ろ押しにならなければならないと考えています。
- 2010.3.12
東工大横浜ベンチャープラザ・すずかけビジネスセミナーに参加。
― 今回のスピーカーは、広島修道大学の川名 和美さんでした。「創業支援と今日の起業家教育―だれもが独立開業してみたくなる起業文化を地域につくろう―」のタイトルで、学生が宮島での人力車の会社や、広島市内商店街の買い物支援事業の会社を創業し経緯を紹介し、その事前の準備に教官自ら係わり環境整備を整えるとともに、創業後ゴーイングコンサーンとして事業継続のために学生を突き放しつつも叱咤激励する手法を説明してくれました。生きた起業教育であるとともに、地方で雇用を生み出し学生が定着していくための条件を官に頼らず独自に奮闘し作り上げる実践の話でした。課題は川名さんが居なくなった同大学・同地域でこの動きが継続できるかです。
- 2010.2.26
MCPC第17回イノベーション・チャレンジセミナーに参加。
― MCPC(Mobile Computing Promoting Consortium)主催で、スマートフォーン活用のソフト等について焦点を当てたセミナーでした。BizMobile?松村社長からはIT責任部署が集中的に利用ソフトを管理し端末をリアルタイムに把握できるスマートフォン導入システムについて、?AXSEED新明社長からは写真付き報告書を現場でエクセルフォーマットに作成するサービスを、臼田総合研究所?臼田社長からはジャイロ技術を応用したパノラマ画像表示のSkyTheaterのサービスを、イナービット?李氏からはサムソンの携帯電話に搭載されているデータ検索ソフトについて、それぞれプレゼンがありました。?AXSEEDの写真付き報告書作成ソフトが具体的な使用状況を想定して作られているために分かりやすく、会場から質問が多く出ていました
- 2010.2.25
情報通信ベンチャーフォーラム2010に参加。
― 独立行政法人情報通信研究機構がベンチャー支援の一環として開催したもので、ベンチャー企業数社の社長による創設から運営に至るまでの苦労話に焦点を当てたセミナーでした。東大発のベンチャーでディジカメや携帯の手振れ補正ソフトで圧倒的にシェアを確保した?モルフォの平賀社長の話もありましたが、ユーグリッド?の池田社長から、我が国のビジネスソフトでは独自のものが評価されず米国発ソフトの導入に終始している厳しい状況の中で、シン・クライアントと異なってサーバが不要で低コスト、かつオフラインでも社外で安心してPCを使えるというユークリッド・セキュア・クライアントの立上げの苦労と海外を攻めたいとの話に興味を覚えました。
- 2010.2.12
ENEX2010に参加。
― 昨年よりも少し規模が小さくなった感じでした。環境問題の高まりに係わらず、省エネ・低CO2 の決め手が無く、各論が政府からも示されていないせいかもしれません。今回はビル全体のエネルギー管理を行うシステムを展示する企業が増え、電気メータをディジタル化して使用量を分かりやすくしようとするものが幾つかありました。まだまだスマートメータの概念を提示する本格的なものは登場していない印象も持ちました。 省エネの切り口なのか、エネルギーやCO2以外も含めた環境負荷を下げていくのか、難しい課題を突きつけている展示会なのかもしれません。
- 2010.2.10
TSUNAMIビジネスプラン発表会に参加。
― 今回の発表は、地域WiMAX事業者向け認証・課金サービスを提供するワイヤレス・オープン・プラットフォーム?、半導体のテスト工程に特化して製品の評価・解析サービス・テストアプリケーションの開発を行う?エリア、北海道のビート(甜菜)の滓を原料にバイオプラスチック(バイオポリエステル、バクテリアセルロース、乳酸)の発酵生産を行っている?アグリバイオインダストリの3社からでした。特に、ワイヤレス・オープン・プラットフォーム?は、総務省管轄下の地域WiMAX推進協議会の主要メンバーとして、カナダBridgewater System社の技術を使い、地域WiMax免許取得事業者40社の接続テスト及び商用セントラルサーバ事業者の地位を目指すものですが、ベンチャー企業が、このような公益的色彩の強い中小通信事業者のコアの役割を果たすという、非常にチャレンジングな状況に少し驚きました
- 2010.2.5
スユヤe-パブリシング研究会オープンフォーラムに参加。
― PAGE2010の企画の一つとして毎年開催されているスユヤ伊藤さん主宰の研究会です。今回は、ソフトバンクのiPhone向けにアプリソフトを提供しているボクシーズ?の鳥居社長、東大発ベンチャーで膨大なデータの独自検索技術を有するフェアリーデバイセズ?の藤野社長、各種ドキュメントの作成・管理をXMLで行う文書管理ソフトを開発している?ディジタルコミュニケーションズの福重社長の3人からプレゼンがありました。特にフェアリーデバイセズはステラウィンドウという全天の星座を見ることができる製品を作っていますがこれは20テラの情報を圧縮・検索できるようにし、また全文検索システムを開発した実績を有して、膨大な情報のカスタムメイド検索ソフトを受託開発して行こうという面白い会社でした。
- 2010.2.4
ベンチャーフェア2010に参加。
― 中小企業基盤整備機構の主催するベンチャー企業の展示会で、かって名刺交換した北海道の?ワイズスタッフの田澤社長が?テレワークマネジメントを設立して出展していました。また同じくビムーブ?が動画の配信を簡単に携帯・iPhoneにも行うサービスを開始していました。そのほか、小学校の理科の体験学習用にコードを書き込んで自在に走行させる簡単な自動車ロボットを製造している(有)擬人機工藝が目に付きました。今後の理科学習に重要な素材で面白いと思いました。更に在庫TVゲームなどをマッチング販売するマッチングワールド?が目の付け所の良いビジネスだと思いました。イーコマースですが、単なるお見合いではなく取引成立までに同社のスタッフが実質的に入ることによって信頼を高めているとのことです。東南アジア・中国からのバイヤーのアクセスも多く、死に在庫を活かして環境負荷も抑える面白い企画でした。